
日本のまんがやアニメには、「オカルト」をテーマにした作品がたくさんあります。
妖怪やお化けなどが出てきます。 妖怪をやっつけたり、仲間にしたり、いろいろな物語があります。
妖怪 日本のむかしばなしやこわい話に出てくるふしぎな生きものです。
お化け 英語なら“ghost“。 人や動物が死んだあとに出てくるもの。「ゆうれい」とも言います。
たとえば、『鬼滅の刃』『呪術廻戦』『ダンダダン』『夏目友人帳』など。 どれも、おもしろいです。
ただ、オカルトな日本語がいっぱい出てきます。 日本人もわからない言葉もあります。
勉強しなくてもいい言葉です。
でも、オカルトな日本語も少し知っていると、まんがやアニメをもっと楽しめます。
ときどき、ふだんの会話で使う言葉もあります。 今回はそんな言葉を紹介します。
この世/あの世 現世/来世
「この世」「あの世」
「この」「あの」は、日本語の初級で勉強しますね。
「この〜」は近くのあるもの、「あの〜」は遠くにあるものですね。
「世」は、世界のこと、worldです。 「この世」は、近くにある世界。 今、私たちが生きている世界です。
「あの世」は、私たちが生きていない世界。 死んだあとの世界です。
「現世」「来世」
「現」は、「今」のこと。 「現世」は「この世」と同じです。 今、私たちが生きている世界です。
「来世」は、「あの世」と少し違います。 「来世」は、死んだあとに生まれ変わった世界です。
つまり、生まれ変わったあとの未来の世界です。
オカルトなまんがやアニメは、「この世/あの世」や「現世/来世」が作品のベースになっています。
「この世」と「あの世」がつながったり、「あの世」のものが「この世」にあらわれたり、「現世」と「来世」を行き来したりします。
実は、伝統芸能の「能」でも、「この世」と「あの世」がまじわることがよくあります。
死んだ人と 生きている人が 出会うことが、「能」のテーマになっています。

トンネルを抜けると、あの世だった・・・・
神隠し
これは、ジブリが好きな人は知っていそうですね。
『千と千尋の神隠し』の「神隠し」です。 突然、人がいなくなることを意味します。
「神様が人を隠した」と言うんですね。
消えた人は、神様によって違う世界に行った。 昔の人はそう考えたんですね。
あれ、それって「異世界転生」?
「異世界転生」と呼ばれる作品は、「神隠し」の考えが かくれています。

憑く/祓う
『呪術廻戦』では、両面宿儺が虎杖悠仁にのりうつります。
『ダンダダン』では、ターボババアがオカルンにのりうつります。
これは、すべて「憑く」です。 人でないものが、人に入り、その人を変えることを「憑く」と言います。
その逆で、「憑いた」ものを取りのぞくことを「祓う」と言います。
これは、日本の神道の考えがもとになっています。
神様は、目に見えません。 だから、物や人に入りこんで、姿をあらわします。
神様だけでなく、妖怪やお化けなども人に入りこみます。 それが「憑く」です。
まんがやアニメには、神道や仏教のアイデアが入っていることがたくさんあります。
それを知ると、「なるほど!」と、さらに物語がおもしろくなりますよ。